「笑顔届ける」 向山さんが伊那に夢のパン店

LINEで送る
Pocket

長年の夢をかなえてパン店をオープンする向山さん

伊那市手良出身の向山俊勝さん(51)が、長年の夢をかなえて同市西町にパン店「ベーカリースリール」を15日にオープンする。「笑顔を届けたい」との思いを胸に、20年以上かけて腕を磨いてきた。地元食材を取り入れ、こだわりのメニューを提供する。12日はプレオープンとして、先着順で食パン(ハーフサイズ)のプレゼントもある。

向山さんはもともと、実業団所属の陸上選手。高校時代は短距離で全国大会に出場した実績もある。20代初めごろまで長野市で会社員をしながら活動していたが、競技者としての道を断念。帰郷後、アルバイトをしていた時にパン作りに出会ったという。その後はパン製造会社に勤務して経験を培ってきた。

パン作りは「作業を途中で止められず、焼き上がるまでどうなるか分からない」一発勝負のような緊張感に魅力を感じたという向山さん。陸上を諦めてから目標を失っていたが、「パンが人生を変えてくれた」と振り返る。

創業支援に取り組む伊那商工会議所とアルプス中央信用金庫伊那北支店の協力を得て昨年から開店を準備。店名の「スリール」は「笑顔」を意味するフランス語に由来する。店舗は西町にある「お持ち帰り専門店OMODAYA」の隣。店内はグレー基調の色合いに木目調のカウンターなどを配し都会的な雰囲気をイメージしたという。

こだわりの商品の一つが、フランスパンのバゲットバタール(税込み290円)。低温で長時間熟成させ、小麦の香りが生きる一品だ。ほかにサンドイッチなど25~30種類を扱う予定。食材は実家が栽培する野菜をはじめ、できる限り地元産を活用する。パンを通して生産者と消費者をつなぐことも目指す。

向山さんは「『おいしい』と言ってもらえるのがうれしく、この道に入るきっかけだった。念願のパン店を開けたので、笑顔と癒やしの空間を届けたい」と話している。

営業時間は午前9時半~午後5時(売り切れ次第終了)。月曜日と第3日曜日定休。問い合わせは16日以降に同店(電話0265・93・0533)へ。

おすすめ情報

PAGE TOP