スペースうなぎISSに到着 観光荘が発表

LINEで送る
Pocket

スペースうなぎの概要を説明する観光荘の宮澤社長

うなぎ料理店の観光荘(本店・岡谷市)は21日、自社開発した宇宙食のうなぎのかば焼き「スペースうなぎ」が国際宇宙ステーション(ISS)に搭載(到着)したと思われると発表した。構想4年をかけて開発した真空レトルトパックの”岡谷のうなぎ”がISSに滞在する宇宙飛行士の口に入れば、日本初の偉業となる。

うなぎのかば焼きの宇宙食化は「UNA Galaxy(ウナギャラクシー)プロジェクト」として2019年に始まった。岡谷市出身の冒険家、小口良平さんと同店の宮澤健社長(46)との会話の中で、小口さんの「南極でうなぎのかば焼きを食べたい」との言葉を受け、開発を決意。極地用の食事と宇宙食に求められる要素が一致していることや宇宙航空研究開発機構(JAXA)が「宇宙日本食」を公募していることを知り、本格始動した。

観光荘が開発した宇宙食の「スペースうなぎ」

宇宙食には長期常温保存や高度な衛生管理が求められ、同店では食品加工部門を刷新。衛生面を大幅に見直し、レトルト化はすでに宇宙日本食認定を受けている食品メーカー宝食品(香川県)に依頼した。

完成した宇宙食のうなぎのかば焼きは、岡谷産の蚕の蛹粉を餌に混ぜて養殖した「シルクうなぎ」を使用。衛生面に配慮し、店で提供するうなぎとは別工程で調理し、通常のうな丼の半分の約50グラムを真空レトルトパックした。

JAXAの厳しい審査を通過し、「宇宙日本食」の認定を取得。8月にJAXAに38パックを納品し、発射日時は公開されていないものの、「おそらく補給物資としてISSに到着していると思われる」(同店)という。宮澤社長は「ISSに日本人宇宙飛行士の古川聡さんが滞在している。うなぎを食べて、宇宙での疲れを癒やしてほしい」と話している。

同店では今年の冬頃に「スペースうなぎ」の販売を予定している。

おすすめ情報

PAGE TOP