キッツを訪ねて ビジネス版長野環境人士

LINEで送る
Pocket

環境に良い暮らしを楽しみながら実践している人に焦点を当てて自然に優しい生き方のヒントを探る対談連載「長野環境人士」は、持続可能な社会づくりに不可欠な企業の環境分野への取り組みにもスポットを当てます。環境への配慮から一歩踏み込み、本業として環境に取り組み、企業価値を高め、事業発展を目指す戦略を取り上げます。インタビュアーは引き続き、元環境省環境事務次官で環境経済政策に詳しい小林光さんが務めます。

キッツグループイノベーションセンターと茅野工場=茅野市金沢

茅野市、伊那市、山梨県北杜市長坂町に生産拠点を持つ総合バルブメーカーのキッツ(千葉市、河野誠社長)は脱炭素社会に向け、エネルギーの脱炭素化が加速する中で次世代エネルギーの本命と目されている水素事業に力を入れている。液化水素向け大口径のバルブの開発に着手するなど水素社会の到来を見越して取り組みを加速する同社。河野社長は蓄積したノウハウを生かし、八ケ岳山麓地域エリアのクリーンなエネルギー社会の実現にも貢献したい考え。

水素は利用時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、環境負荷を低減するエネルギーとして国内外で導入する動きが進んでいる。定着には水素をつくり、運び、貯めて、必要な時に必要な量を安全かつ適切に供給する体制づくりが求められている。製造の過程では化石燃料を用いる技術もあるが、キッツは再生可能エネルギーを使って水素を生産する「グリーン水素」にこだわる。そこには河野社長の強い思いもある。

水素関連事業や茅野、伊那市への思いを語る河野社長

本業として環境問題に取り組む姿勢の原点は、同社とバルブ製造の歴史からも見て取れる。水や流体に関する課題と解決策を提案するキッツグループの共同活動「ウォーターソリューション」はこれまで蓄積してきた技術やノウハウ、商品を生かした取り組みだ。

災害時には避難所として茅野市、伊那市にある事業所の社員食堂を避難所として提供する協定を地元自治体と結ぶ同社だが、仮にライフラインが寸断されても同社の浄水技術により地下水を使った清潔な飲料水、生活用水を提供できるのはウォーターソリューションの一例。地元採用の社員との対話から生まれた「地元に寄り添う」姿勢を具現化した取り組みでもあった。

対談はこちらから

おすすめ情報

PAGE TOP