すわリノ第1号物件 複合施設がオープン

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築約90年の長屋を活用してオープンした店舗や事務所の複合施設「ポータリー」=諏訪市諏訪2

諏訪市のJR上諏訪駅周辺の空き家などの活用を通じたまちの活性化を目指す「すわエリアリノベーション社(すわリノ)」(同市)が、同駅から徒歩約6分の所にあり、築90年ほどがたつ同市諏訪2の長屋を改修した複合施設「ポータリー」が完成し、4日オープンした。すわリノが手掛ける第1号物件。店舗や事務所が入り、一帯の歴史ある街並みを大切にしながら新たな魅力を生み出す施設にしていきたい考えだ。

ポータリーの名称は、「港」を意味する「port(ポート)」と「路地」を意味する「alley(アリィ)」を掛け合わせた。港のように人が降り立ち、情報が集まる場所になればと思いを込めた。

1932(昭和7)年ごろの建設という木造2階建てで、数年前から空き家だった。面積は計約255平方メートル。今年1月に着工し、建物の昭和初期の風情や骨格を残しながら改修を進め、各階4軒だった内部を5区画ずつ計10区画にし、前庭にはウッドデッキを据えた。

1階には、東京から移転したテキスタイルブランド「kakapo(カカポ)」が洋服や生地を販売する店舗を開店したほか、ポータリーに隣接する自家焙煎(ばいせん)コーヒーなどの店「AMBIRD(アンバード)」が焙煎所を開設する。1区画にはチャレンジショップを設置。残り2区画は当面チャレンジショップとして活用しながら、テナントを募集する。

2階には、企画・デザインの「genkei(ゲンケイ)」やデザイン事務所「オンフ」、調香アトリエ「fragrance mona(フレグランスモナ)」、すわリノの事務所が入る。シェアオフィス・貸し会議室も設けた。

現在入居する店舗、事務所の多くは、東京から諏訪市内に移住したり、移住を考えていたりする人たちが構える。オンフの神岡真拓(まひろ)さん(26)はポータリーのロゴデザインも担当し、「諏訪のまちを照らす灯台のような場になれば」と期待。フレグランスモナの竹原裕子(ひろこ)さん(41)は「諏訪ならではの香りを作っていきたい」と話した。

竣工(しゅんこう)セレモニーが行われ、関係者や来賓ら約50人が出席。すわリノの東野(あずの)唯史(ただふみ)社長は「先輩方からアドバイスを頂きながら、諏訪の未来をつくっていけたら」とあいさつ。東野社長と金子ゆかり諏訪市長、諏訪信用金庫の今井誠会長が鏡開きをし、オープンを祝った。

すわリノは昨年秋、古材リサイクルなどのリビルディングセンタージャパン(同市)が、不動産のサンケイ(茅野市)、諏訪信金とともに立ち上げた。

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