空き家活用へ 諏訪市が講座・物件見学会

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諏訪市岡村にある小池克之さんの旧家を見学する参加者

諏訪市は7日、第3回空き家問題講座を市内で開き、空き家とリノベーション物件の見学会を行った。市内外から約20人が参加し、午前と午後に分かれて諏訪市元町と岡村、末広、小和田にある計10棟を見て回り、空き家の魅力や利活用に至る経緯、改修方法などに理解を深め、空き家活用のイメージを共有した。

一行は、同市小和田の湯小路いきいき元気館駐車場を出発。古材や古道具のリサイクルショップ「リビルディングセンタージャパン(リビセン)」(同市小和田)の東野(あずの)唯史代表を案内役に同市元町と岡村の空き家を訪れ、不動産業者や所有者から建物の構造や状態について説明を受けた。リビセンが改修を手掛けた飲食店や社宅、店舗も訪問し、人通りが増えた様子から空き家の活用がもたらす効果を体感した。

このうち同市岡村では、空き家所有者と活用希望者をつなぐ同市の「空き家マッチングサービス」の登録物件を訪問した。大屋根の下に木造2階建ての母屋と土蔵が通路を挟んで立つ築150年以上の旧家で、参加者は黒光りした立派な梁(はり)や柱、長持ちやたんすなどの古民具、土蔵の壁がむき出しになった屋根裏(小屋裏)につながる部屋に関心を示し、感激しきりだった。

所有者の小池克之さん(69)=同市城南=によると、父親が亡くなった2007年から空き家になったが、週1回は管理に訪れる。小池家の歴史についても説明があり、小池さんは「父が『南沢の家は残したい』と話していた。うまく使っていただければありがたい」と願っていた。

祖母の家が10年以上空き家という山田容子さん=岡谷市川岸上=は「とても貴重なお話を聞くことができ、歴史を感じ、地域への愛着が湧いた。空き家をどうやって管理し、生かせるのか。いろいろな選択肢があることを学ぶことができました」と話した。

最終回の次回は11日に市文化センターで開き、下諏訪町の事例から空き家改修のポイントや放置のリスクについて理解を深める。

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