東京で「ザザムシ」新メニュー 上農高生創作

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都会の客に地元伊那谷のザザムシを使った新メニューを提供する上農GL3年生=東京・浅草の昆虫食カフェ・レストラン「TAKEO」

伊那谷が誇る伝統文化の昆虫食「ザザムシ」を未来に伝える活動を展開する上伊那農業高校(南箕輪村)コミュニティデザイン科グローカルコース(GL)3年生が創作したザザムシの新メニューの提供が、東京・浅草の昆虫食カフェ・レストラン「TAKEO」で始まった。虫の姿も鮮明な五平餅とアイスクリームの2種類。29日は生徒自ら同店でPRし、豊かな自然と独自の食文化を育む上伊那の魅力を都会の人たちに伝えた。提供は11月5日まで。

生徒たちは同店の三浦みちこ店長と5月に、実際に調理して新メニューを開発。今回そのレシピを生かして同店が調理し、客に販売している。

南箕輪村産の食材を用いた五平餅は「ざざへいもち」とネーミング。減農薬、無化学肥料により村内で生産される特別栽培米コシヒカリ「風の村米だより」で餅を作り、大芝高原味工房で造られる「おばちゃんみそ」にクルミとサンショウで味付け。みそにザザムシをトッピングして焼いた。

ザザムシを川で捕獲する時に使う四つ手網を模して、あめ細工を添えたアイスクリームはその名も「ざざむしとれたよ」。漁の様子を視覚で訴え、チョコレートでコーティングしたザザムシをアイスに乗せた。

販売開始直後から「通」な昆虫食ファンが次々と来店し、ザザムシを堪能。昆虫好きが講じて同店に足を運ぶようになった都内の小学2年生(8)は、GLが開発、商品化したザザムシふりかけ「ザザテイン」の大ファンといい、「ふりかけとはまた違っておいしい」と新メニューも満喫していた。

ザザムシは初めてという板橋区の吉田達磨さん(29)は「昆虫食を開発した高校生が来るというので楽しみにして来た。ザザムシの食感が新鮮。もっと新商品を開発して」と期待した。

首都圏在住で上農卒業生の上島三介さん(79)、吉瀬雅治さん(79)、清水三夫さん(74)も店に足を運び「懐かしい味。今後も協力して故郷の大切な伝統や資源を生徒たちに守ってほしい」と後輩たちの奮闘ぶりに目を細めた。

五平餅を開発した生徒(18)とアイスを開発した生徒(17)は客と積極的に触れ合い「都会の皆さんと、ザザムシを通じてつながることができてうれしい」と笑顔で話した。

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