昔ながら、羽広菜カブ漬け 伊那市西箕輪で

赤紫色のカブを切って漬け込みの準備をする組合員
伊那市西箕輪羽広に伝わる伝統野菜「羽広菜」のカブ漬け作業が地元みはらしファーム内の加工施設で行われている。酒かすとみそ、砂糖などを使った昔ながらの手法で1カ月ほど漬け込み、しゃきしゃきした食感と甘みや辛みを生かしたまろやかな味に仕上げる。
羽広菜は羽広地区で古くから栽培されてきた漬け菜。カブの肉質が柔かく、甘みと程よい辛みがあるのが特徴で、2007年には県認定の「信州の伝統野菜」にも選ばれている。
カブ漬けは地元の羽広菜生産加工組合が担う。初日の14日には組合員4人と地域おこし協力隊員1人が、作業台に積まれた赤紫色のカブに包丁を入れ、漬けやすい大きさに縦切りでカットしておけに漬け込んだ。組合員の畑で収穫した羽広菜を使用。作業は12月中旬まで何回かに分けて行い、約1.5トンを漬け込む予定だ。
組合員は5人だが高齢化が悩み。作業は力仕事が多いため、現状では若手の地域おこし協力隊員のサポートが不可欠という。西村かほる組合長(73)は「漬物離れが進んでいるが、伊那の特産品なので可能ならば1度でも手に取って羽広菜を知ってもらいたい」と話した。
12月初旬からとれたて市場、あじーな、Aコープ伊那中央店、ニシザワ双葉食彩館、同信大前食彩館、ベルシャイン伊北、同箕輪、同伊那の各店で販売。価格は資材や調味料の高騰で昨季より40円値上げした1袋(200グラム入り)・税別400円。問い合わせは西村さん(電話090・9660・4058)へ。