上諏訪駅近く 3月に田中さんのビール醸造所

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試作のビールを手に笑顔を見せる田中健二郎さん。店頭ではビールの販売や角打ちに対応する一部営業を始めた

下伊那郡豊丘村出身の田中健二郎さん(32)が、ビールの醸造所と販売所、ビアパブ(酒場)を兼ねたブルワリー「有頂天醸造」を諏訪市諏訪の旧河西家具に開設する。ビール醸造所にパブを併設し、出来立てのビールを味わえる環境は諏訪地方初。今年3月にオープンし、5月にも仕込みを始め、初出荷は6月ごろの見通し。「人が集まり、まちに入っていける『地域のハブ(結節点)』にしたい」と話している。

田中さんは立命館大学国際関係学部卒。学生時代からビアフェスのスタッフとしてビールの世界にのめり込み、卒業後は箕面ビール(大阪府箕面市)に就職。醸造タンクの洗浄や瓶詰め、イベント出店、国際コンクールへの参加、ホップや麦芽の目利き、醸造の方法について3年間学んだ。

東京のブルワリーで仕込みの責任者を経験した後、「もっといろんなビールを知りたい」とカナダ・バンクーバーに渡り、試作ビールの研究に1年間携わった。独立を決意して帰国し、下條村でのシードルづくりや山梨県北杜市清里の「八ケ岳ビールタッチダウン」の醸造に協力。昨年仕込んだビールは国際コンペで金賞を受賞したという。

国道20号沿いにある旧河西家具との出合いは1年前、JR上諏訪駅周辺で物件を探していたところ、地元酒店や地域住民を通じて所有者を紹介してもらった。昨年4月に土地建物を購入し、11月中旬から改装工事を進めている。

建物は1962年築の木造2階建てで4階建ての土蔵が併設されている。10年以上空き家だったといい、家具や店内装飾が残されていた。店内の奥行きは約50メートル。当面は1階のみを使用し、国道側のテラスをオープンスペースとし、広い店内には机や椅子を並べ、音楽やマーケットなどのイベントにも開放する。その奥にビアパブと醸造所を整備し、樽出しのビールを提供するという。

田中さんは「工場の煙突や醸造タンクが見える範囲で飲むビールが一番おいしい。お客さんの声をビール造りにフィードバックできる。パイントグラス(473ミリリットル)で楽しめるバランスの良いビールをお届けしたい」と語る。醸造は1人で行う予定だが「大変より楽しい。いろんな人のサポートをいただいてここまで来た。開店後は自分が手助けできる存在になりたい」と話している。

諏訪税務署によると、諏訪地域の酒類製造免許保有事業者は、ビール製造が「諏訪浪漫麦酒」の麗人酒造1社、発泡酒が酒造会社を中心に10社。発泡酒では「エイトピークスブルーイング」のエイトピークス(茅野市)と、「ムギクラブルーイング」の田村醸造合同会社(下諏訪町)がクラフトビールを醸している。

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