ライチョウ復活作戦順調 宮田で報告会

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中央アルプスのライチョウ復活作戦の進展が示された報告会

絶滅危惧種ライチョウの生息地を中央アルプスに取り戻す「復活作戦」の報告会(宮田村など主催)が28日、同村民会館で開かれた。作戦を指揮する中村浩志・信州大学名誉教授らが140羽程度まで増えた成果を示した一方、保護をとめても自立し生息していける”完全復活”の判断には経過を見る必要から「少し時間がかかる」とした。今後は地元自治体や地域住民が主体的に保護に関わっていく必要性も指摘された。

環境省が進める復活作戦は、2018年に中アで半世紀ぶりに見つかった雌と乗鞍岳から運んだ家族の計20羽から増やしてきた。23年には83羽の繁殖を確認。同省が計画した目標値(30~50つがい)に既に達した。今年は120羽ほどの繁殖を見込んでいるという。

進展を報告した中村さんは「人の手を借りなくても生息できる状態の最終目標は200~300羽。中アには環境がある」 と強調。一方で、ライチョウとともに増えているというキツネやテンなど捕食動物に「どう対応できるか」と述べ、大型の草食動物や地球温暖化による高山帯への影響とともに課題に挙げた。

同省信越自然環境事務所(長野市)の小林篤専門官は「生息地と認めるには『自立個体群』であるかが重要」と指摘。取り組んでいる「ケージ保護」などの活動を終えた後も生息していけるか、ある程度の期間は経過を調べることが想定されるとして「完全な復活の宣言にはもう少し時間がいる」と話した。

今後のさらなる進展を受け、環境省が保護活動を終えることが見込まれる。中村さんは、同省に代わって「中ア国定公園の管理者となる県を中心に地元自治体を巻き込んで、ライチョウを含む中アの環境を守っていってほしい」とし、地域住民に対しても「まず関心を持ち、機運を盛り上げて」と呼び掛けた。

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