本宮一の御柱 500人で曳き出すなら1人25kgの力必要

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大勢の氏子の力で巨木を動かす諏訪大社御柱祭。果たして必要な力は-。

長野日報社が、諏訪東京理科大学(茅野市)の協力で調べたところ、目通り周囲が3メートルを超える「本宮一」のような御柱を氏子500人で曳(ひ)く場合、静止している御柱を動かすには1人当たり25キロの力が必要だった。

計算した工学部機械工学科の竹増光家(てるいえ)教授(生産機械工学・材料加工学)は「動き始めるまでが大変で、そこに力を集中させることが大切」と「協力一致」の大切さを説く。

計算に当たり、御柱に関する情報は、諏訪大社大総代会の牛山純緒議長と、上社で御柱の搬出を担当した平澤林産(伊那市)の助言を得た。

まずメドデコがあって比較的重い上社の御柱を調査対象にした。御柱の大きさは「本宮一」「前宮一」「本宮二」と同規模とし、御柱(8~9トン)とメドデコ、綱、御柱やメドデコに乗る氏子を合わせた総重量を18トンとした。続いて、御柱と道路の静止摩擦係数0.7(雨で濡れている場合は0.5)を乗じ、参加人数で割って1人当たりの力を導き出した。

それによると、動き始めに必要な1人当たりの力は、少数精鋭の200人で曳く場合が63キロ、平均的な参加者700人だと18キロ、4000人では3.2キロとなる。御柱が動き始めると、摩擦係数が3~5割減るため、曳く力も比例して少なくなる。

竹増教授(55)は「物体は引っ張る力が最大静止摩擦力(逆向きに作用する力)を超えると動き出す」とし、柱に最も近い元綱係の重要性を指摘した。曳行に必要なエネルギーの大きさに驚きつつも「エネルギーロスを少なくするには一定のスピードで動かし続けること。息を合わせて力を加え続けることができれば止まらない」と解説した。

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