2016年2月16日付

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雪の舞う中、境内を埋め尽くす氏子が固唾をのんで見守った。曳行(えいこう)を担当する柱が決まるたびに歓声やどよめきが湧く。諏訪大社上社御柱祭の抽籤(ちゅうせん)式。氏子の期待を一身に受けてくじを引く大総代の重圧は、想像も及ばない▼かつての御柱年、早朝に上社の近くで大渋滞に出くわした。それが抽籤式に向け、わが総代が望む御柱を引き当てるよう願う氏子の車列だと後に知り、諏訪の人の祭りに対する「本気ぶり」に恐れ入った▼その熱意は今回も受け継がれ、境内の雪かき奉仕では各地区の氏子が信心のあつさを競うように集合が約束の時間よりどんどん早まって、ついには午前3時。役員も苦労したそうだ。御柱祭はとかく荒々しさが注目されるが、氏子が神社に通って心身を清め、信仰をささげる純な心こそが祭りの真の魅力ではないか▼熱い思いが渦巻く抽籤式は悲喜が入り交じった。96年ぶりに本宮一を引き当てた諏訪市豊田・四賀の氏子は喜びをはじけさせた。一方、願う御柱を得られなかった地区が「精いっぱいの祭りを」と改めて結束する姿も胸を打った▼これから木作り、綱打ちと祭り支度が本格化する。各地区の練習も役員の表情が引き締まってきた。諏訪地方を離れた人でもこの時期になると血が騒ぐ。それが御柱祭。陰にはたくさんの役員の厳しい統制と地道な準備の下支えがある。そんな諏訪人の心意気、いよいよ見せどころだ。

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