70余年ぶり糸取り 岡谷蚕糸博物館で作業

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学芸員の見守るなか70数年ぶりに糸取りをする安藤さん(左)

学芸員の見守るなか70数年ぶりに糸取りをする安藤さん(左)

岡谷市川岸夏明生まれで、若いころに市内や下諏訪町の製糸工場で女性工員として働いた東京都中野区の安藤チヨさん(96)が15日、岡谷蚕糸博物館を訪れた。館の学芸員らに当時の様子を語ったほか、館内にある座繰り機で70数年ぶりに「糸取り」の作業をして思い出に浸った。

親族と訪れた安藤さんはやや耳が遠いものの、記憶も言葉もはっきりしていて元気。従業員が200人ほどいたという下諏訪での女性工員時代の仕事内容や寮生活などに触れ、仕事では良質な糸ができるだけ多く取れるよう、作業の間は湯の色に注意を払ったり、糸のすぐり方に気を配っていたなどと説明した。

館内にある足踏み座繰り機に座ると、指をしなやかに動かし、繭から鮮やかに糸を取った。「何年たっても糸を取った経験は忘れない。こんな尊い仕事を岡谷でしていたことに感謝しているし、誇りに思う」と話していた。

東京在住の安藤さんの孫が仕事で岡谷を訪れる機会があり、同館の高林千幸館長と知り合ったのがきっかけ。手紙のやり取りなどを通じて訪問が決まった。高林館長は「80年近く前のことを鮮明に覚えていて、糸取りもきのうまでやっていたように手を動かしていた。岡谷を誇りに思ってくれていることを含めて素晴らしい」。安藤さんが話した当時の様子や糸取り実演は記録に残し、製糸業の歴史伝承に役立てる予定という。

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