新入社員3人と小川恭範社長ら幹部がトークを繰り広げたセイコーエプソンの入社式

伝統の形式を一新 セイコーエプソン入社式

2024/04/02 06:00
社会

セイコーエプソン(本社・諏訪市)は1日、入社式を同市大和3の本社体育館で開いた。昨年度より29人多い373人が希望と意欲を胸に一歩を踏み出した。新入社員全員が一堂に会した式は5年ぶり。伝統の形式を一新し、自社技術を生かした会場演出、国内外各職場からのメッセージ投映、新入社員代表と小川恭範社長ら幹部のトークセッションなど、創意工夫で革新を先駆するエプソンらしさで歓迎した。

 

女性の採用は過去最多で23%を占めた。小川社長は「めまぐるしく、大きく変化する社会情勢に対応するには素早く柔軟、多様な考え方が重要。同時に存在意義と目的意識、ぶれない軸を持ちながら失敗を恐れず、楽しく仕事をして」と呼び掛けた。

 

トークでは新入社員の中山康祐さん(24)=北海道出身=、小田さくらさん(24)=長野市出身=、吉川虎之介さん(20)=兵庫県出身=と小川社長、執行役員の阿部栄一人的資本・健康経営本部長が登壇。小川社長が「エプソンを選んだ理由は」と問うと、吉川さんは「自社の利益を求めるだけでなく、地域、社会と共存する姿勢に共感した」と答えた。阿部本部長の「エプソンでどんなことをしたいか」との質問に小田さんは「人間性、内面を磨き、真摯に考えを伝えられる人になりたい」と述べた。

 

経営陣への逆質問もあり、中山さんが「20代の頃はどんな意識を持って仕事をしていたか。力がついたきっかけは?」と尋ねると、阿部本部長が「自身の成長と成果を出すことに専念していたが、海外勤務で目線を広く、高くできた。毎日の積み重ねでレベルを上げながら視野も広げて」とアドバイスした。

 

社員の手作りで趣向を凝らした今年の入社式。「自分たちの技術で思い出に残る式をしてあげたい」と人事部の呼び掛けで30人余りが中心となり、3カ月近くかけて企画、準備したという。

 

会場内左右の壁は自社インクジェットプリンターで印刷染色した風景写真を全面に掲げ、舞台側には水を使わない製紙技術で作ったレリーフを置いてデジタル投影技術で変幻自在に彩色した。部署ごとに動画で社員皆の歓迎の思いを直接伝え、新入社員は個々のスローガンを立てた。

 

新人からは「会社の一員の自覚が湧いた」「エプソンの温かさを一層感じられた」との声が聞かれ、人事部採用担当の押元佑香さん(26)は「たくさんの社員が我が事として取り組んでくれた。1つの目標に向けて結束するエプソンの総合力、すごさを実感した」と話し、自社の強みを再確認する機会ともなった。

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