フランス料理の「オーベルジュ・エスポワール」(茅野市北山)は20日夜、信州産ワインだけを使ったワイン会を初めて開いた。県内外から21人が参加。八ケ岳西麓や天竜川など県内の五つのワインバレーからセレクトされた6銘柄と信州産食材を使った料理との調和を楽しんだ。
県は県内のワイン産業の集積地を「信州ワインバレー」に位置付けている。桔梗ケ原(塩尻市)、日本アルプス(松本、安曇野、大町市など)、千曲川(佐久、小諸、東御市など)、天竜川(伊那、飯田市、宮田村など)の4バレーに昨年、八ケ岳西麓(茅野、富士見、原の3市町村)を加えた。
ワイナリーの数は2002年の16件から24年の80件へと飛躍的に伸びている。地球温暖化の影響でワイン用ブドウの栽培適地が変わりつつあり、長野県は注目される地域となっている。
エスポワールのワイン会は、洗練された料理と希少性の高いワインの組み合わせが高く評価され、県外の富裕層から支持されているが、今回は信州産のみで構成したワイン会を初めて企画。信州ワインの認知度向上に取り組んだ。
八ケ岳西麓からは2銘柄を選び、生産者の小林峰一さん(61)=原村=と小出徹さん(56)=茅野市=を招いて栽培時のこだわりやワイン造りの理念などを語ってもらった。藤木徳彦オーナーシェフやソムリエの野村秀也支配人の滑らかな語り口も好評で、ワインと料理を味わい、思わず笑みを浮かべた参加者たちの会話も一層弾んでいた。
蓼科中央高原に別荘を持つ和田正裕さん(67)=神奈川県=は「日本のワインがおいしくなっているという話を最近よく聞くのできょうの企画を楽しみにしてきた。生産者の情熱はワインの味に大きく影響することを実感した。大満足のワイン会で、これからの信州産は期待が持てる」とにこやかに語った。
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