伊那市高遠町の信州高遠美術館は27日、ワークショップ「ミニ屏風を作ろう!」を同館で開いた。「現代の名工」受賞者の伊藤君人さん(75)=同市御園=ら表具師を講師に市内外の小学生からお年寄りまで20人が参加。紙や木の質感を感じながら構造を学び、日本文化に欠かせない役割を果たしてきたびょうぶへ理解を深めた。
同館で開催中の池上秀畝生誕150年展の関連イベントとして企画。講師は伊藤さん、「信州の名工」受賞者の安藤弘文さん(58)=下伊那郡松川町=が務めた。
ミニびょうぶは木製パネル(約20センチ×約10センチ)の表面に和紙を貼り、模様のある帯を掛けて制作。帯の部分に飾りたいものを挟んで使用する。帯の掛け方に仕掛けがあり、縦開きも横開きもできる「からくり屏風」と呼ばれる仕様になっている。
作業では表具師が確認や助言をして、参加者は間近で展開される職人技に見入っていた。美篶小学校4年の児童はびょうぶの仕掛けに興味深げで「のり付けなどが楽しかった。ペットの写真を入れて、家に飾りたい」と話していた。
伊藤さんは多くの人がびょうぶに関心を持ってくれたことを喜び「若い方々が周囲に今日の体験を伝えたり、古い物を大事にしたりすることで日本文化の継承につながってほしい」と期待していた。
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