武井武雄の生誕130年を記念し、初めて公開する「かくれみの」の原画=イルフ童画館

広がる武井武雄の世界 イルフ童画館で企画展

2024/04/29 06:00
文化

岡谷市出身の童画家、武井武雄(1894~1983年)の生誕130年を記念した企画展「新コレクション展」が29日から、同市のイルフ童画館で始まる。初公開となる収蔵作品を中心に、書籍「赤ノッポ青ノッポ」の原画、びょうぶ、版画、関連資料など約200点を展示。子どもたちの心に響く武井の作品世界が広がる。6月17日まで。

 

赤鬼と青鬼を主人公とする童画作品「赤ノッポ青ノッポ」の原画は23点。点描で表した風景がキャラクターを引き立てる挿絵のほか、描き下ろしの表紙が並ぶ。大手出版社の小学館で見つかり、昨年に同館へ寄贈された作品の一部として飾った。

 

クレヨンと水彩絵の具で表現した絵本「かくれみの」の原画、1935年に絵札のイラストを手掛けた「コドモノ俳句カルタ」もある。ネズミの絵をあしらった色紙は、深い交流のあった親族に贈られた作品で、「武井が個人のために描くのは珍しい」と同館。直筆のはがき、手紙がそろい、武井の暮らしや心境がうかがえる。

 

同館によると、昨年度は880点を超える寄贈を受けた。学芸員の犬塚奈々子さんは「幅広く寄せられた作品と資料から、武井の思いを感じ取ってもらえたら。今後も調査、研究を進め、創作活動を明らかにしていく」としている。

 

関連企画として、29日に武井の生涯をテーマにした山岸吉郎館長のトークイベント、5月4日に武井と交流のあった小学館元編集長の野上暁さんらによる対談がある。

 

午前9時~午後6時。水曜休館。入館料は一般510円、中高生310円、小学生160円。問い合わせは同館(電話0266・24・3319)へ。

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