製糸業で日本の近代化を支えた”シルク岡谷”の歴史に触れるイベント「2024シルクフェアinおかや」(実行委員会主催)が29日に開かれた。岡谷市内の岡谷蚕糸博物館など11施設を会場に、多くの家族連れがマルシェ、糸繰り、ものづくりなど多彩な催しを体験。映画「ゴジラ―1.0(マイナスワン)」のロケ地となった旧岡谷市役所庁舎を巡るツアーもあり、人気を集めた。
ガイドツアーでは、旧庁舎を特別公開。各回ともほぼ定員いっぱいとなり、県内外から計約80人が参加した。市職員の案内で、建物の歴史や撮影にまつわるエピソードを聴きながら見学。2階を中心に、ゴジラを滅ぼすための作戦会議、病室などの重要なシーンに使われた部屋を見て回った。作戦の実験装置として登場する水槽、「第二復員局」と書かれた看板などの道具もそろい、参加者は熱心にカメラを向けていた。
国登録有形文化財の旧庁舎は、1936(昭和11)年に製糸家の尾澤福太郎が私財を投じて建築し、市に寄贈された。旧庁舎前の蚕糸公園では、市消防音楽隊がゴジラのテーマ曲を演奏し、雰囲気を盛り上げた。
我が子とともに映画を5回見たという五味良子さん=諏訪市大手=は「建物の歴史と撮影のこぼれ話の両方を楽しめた。また改めて鑑賞してみたい」。ゴジラの人形を持参した次男は「映画と同じ場所があってわくわくした」と興奮気味に語った。
イベントではこのほか、江戸から明治時代の繰糸機「上州式繰糸機」を使った糸取り体験、繭を活用したワークショップ、絹製品が集まるクラフト展などが行われた。
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