JA信州諏訪と子会社のあぐりクリエイト信州諏訪は、市民が気軽に野菜作りを体験できる「JA農園」を30日、富士見町南原山に開園する。土づくり済みのミニ農地を秋まで希望者に提供する新規事業で、自作の楽しさ、収穫の喜びを味わってもらい、新たな農業者を育てる一歩になれば-と中堅職員3人が発案した。同農協の次代リーダー養成プロジェクトの初仕事でもあり、「市民と農業、農協をつなぐ場にしたい」と張り切る。諏訪地方在住者を対象に体験参加費1万円で先着10人。19日から希望者の受け付けを始める。
企画したのは営農部茅野市営農センター所長代理の湯田坂和臣さん(45)、同部生産資材課長代理の五味正宏さん(48)、あぐりライフ信州諏訪総合企画係長の中島博光さん(39)。農業者の高齢化が進む中で「諏訪地方の農地を守るために新たな担い手が必要」と見据え、あぐりクリエイト社の協力を得て農業の手始めを提供することにした。
湯田坂さんは「農地を借りるのには大きな勇気が要る。農業に憧れる人のお試しや子育て世代の親子体験に利用してもらえたら」とし、「色形の良い野菜を作るのがどれほど大変か、いびつな野菜にも湧く愛着を味わってもらえたら農業への理解が深まると思う」と願いを込める。
貸し出す農地は1区画0.7アールで、利用期間は11月末まで。好きな作物の種や苗を植える作業からスタートし、自由に農作業を楽しんでもらう。希望で随時、相談に応じ、状況に合わせた効果的な技術をアドバイス、将来の起農支援まで万端なサポートが農協ならではのうりだ。
開園は3年がかり。組織内で理解を広げ、農地の確保、運営の仕方などで対外交渉の労も経験した。「あぐりクリエイトが『一緒にやろう』と言ってくれたことが本当にうれしかった。町農業委員会も応援してくれた」とメンバーたち。これまで農業のプロ相手の仕事が主だった3人にとっても、地域のさまざまな人と交わり、農業のすそ野を広げる挑戦の場だ。
利用希望の申し込みはJA営農部(電話0266・71・2700)へ。午前8時30分~午後5時。
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