江戸時代から諏訪地方の農家の女性たちによって伝えられた手織り「諏訪小倉織り」の技法を源流に編み出された「八つ縄文織り」。同織りを考案した諏訪市清水の高木義一朗いちき糸店社長(76)は、半生にわたって八つ縄文織りの組織図作成の研究を進め、手織り伝承技法の集大成「信州諏訪の『八つ縄文織り』手織り柄の世界を自由に駆け巡る」を出版した。高木さんの友人らが専門職を生かして実現。パソコンの表計算ソフトを使い、柄の拡大や縮小が自在に作れる方法は、関係者から「手織りの教則本では世界的バイブル」と高く評価されている。
高木さんは大学卒業後、明治33(1900)年創業の糸店の家業を継いだ。その中で諏訪の織物の伝承衰退に危機感を抱き、現代の住宅事情に合わせたコンパクトな機織り機を考案。古来の技法を発展させ、経緯方向の柄が自由に拡大、縮小できる「八つ縄文織り」を編み出し、伝承者の育成に取り組んできた。
糸店の一角に教室を設け、教室生は方眼紙を使って織柄を作り、試し織りをし、時間と集中力を注いで伝承の一端を担ってきた。
こうした過程で、パソコンのエクセルのセルを方眼紙に見立て、表計算ソフトを使うことで、手織り柄の拡大縮小が自在に変更できることにたどり着き、図柄も驚異的に広がった。「これまで織ってみないと分からないことが多かったが、ソフトを用いることで、八つ縄文織りだと30分ほどで柄が確認でき、手織りの世界では画期的な出来事」という。
17日開いた出版記念会には、高木さんの織りに対する情熱に寄り添い協力してきた諏訪清陵高校同期生の関洋一さん(東京都)、塩原晴彦さん(諏訪市)、高木さんの後継者の一人北原ますみさん(富士見町)など32人が参加。席上高木さんは、「諏訪の手織りの文化を後世にとの思いから、ホームページや茅野市の理科大の授業で伝えてきた。連中(友だち)の応援があってこそ一冊にまとまり、最高にうれしい」と目頭を押さえていた。
A4判。200ページ。価格1万1000円。問い合わせはいちき糸店(電話0266・52・0518)へ。
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