国土交通省は19日、浜松市で開かれた天竜川水系流域委員会で、見直しを進めている天竜川水系河川整備計画の変更原案を示した。気候変動による水災害に対応するため目標流量を引き上げ、河道掘削や既存洪水調節施設の活用、流域のあらゆる関係者で被害を軽減する流域治水などで対応。必要な場合には新規ダム建設の調査、検討をするとした。今夏の変更を目指す。
整備計画は、おおむね30年の河川整備などの目標を示す。変更原案では気候変動による降水量の増加を想定し、県内基準点の天竜峡(飯田市)の洪水時の目標流量を現行毎秒5000トンから5700トンに引き上げる。これに対応するため、河道掘削や既存洪水調節施設の活用、流域治水対策などの被害軽減対策を行うとして、天竜川や支流の具体的な整備メニューを示した。
洪水調節機能の強化については、既設ダムを最大限活用した事前放流や操作方法の見直しなどを調査、検討し、対策を実施。さらに対応が必要な場合は既設ダムの放流能力の増強、新規ダム建設の調査、検討をする。動植物の自然環境保全も図る。
天竜川流域を巡っては、伊那市などの自治体でつくる三峰川総合開発事業促進期成同盟会が、同市長谷の三峰川上流部への戸草ダム建設を要望していて、今後の動向が注目される。
一方、同省天竜川上流河川事務所(駒ケ根市)は今月1日付で、伊那市長谷溝口に長谷分室を設置した。3月に閉鎖した同省の旧三峰川総合開発工事事務所を活用。上位計画の天竜川水系河川整備基本方針改定に伴う調査などを担う。
河川整備計画の変更に向けては流域委員会の意見や22日~5月21日に行うパブリックコメント(意見公募)を踏まえ、6月予定の次回の流域委で変更案を示す。その後、知事意見聴取などを経て計画を見直す。
■白鳥孝伊那市長の話
変更原案では、ダムなど新たな洪水調節施設を整備する際は、既存施設を最大限活用する検討を行った上で、さらに増強が必要な場合には新たな洪水調節機能の検討調査を行い、必要な対策を実施するという基本的なスタンスが示された。
これまでの要望活動において国(国交省幹部)からは、天竜川流域の洪水調節機能の強化には、ダムの果たす役割は大きいとの認識を示していただいており、今回示された調査、検討を経て、新規ダム(戸草ダム)の必要性が示されると考えている。
戸草ダムは、民有地のほぼ100%の用地取得が済んでおり、工事用道路の一部も整備されているなど、他の新規ダムとは異なる歴史や大きな利点がある。このことをお伝えし、早期に調査検討が行われ、戸草ダム建設が再開されるよう引き続き要望していく。
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