箕輪町がJR伊那松島駅近くに建設していた町防災交流施設「みのわBASE(ベース)」が完成した。災害時に避難所として活用できる防災拠点のほか、子どもからお年寄りまで気軽に立ち寄れる交流施設として整備。会議室やギャラリー、学習室なども備えていて、多世代が集うにぎわいに期待している。
耐震化や老朽化が課題となっていた町社会福祉総合センターに代わって、町中心部に位置するJA上伊那の旧箕輪町支所跡地に建設された。鉄骨造り2階建てで、延べ床面積は1085平方メートル。
太陽光発電設備や蓄電池、発電機を備えているのが特徴で、日頃から照明や冷暖房はすべて自家発電で賄い、余った電気は売る。備蓄品を保管する倉庫もあり、非常時は100人が3日ほど過ごせる電気や水を確保できるという。
1階はカフェや子ども用スペースを備えたフリースペース(約100席)、テラス、授乳室、住民団体の作品などを展示できるギャラリー、事務室などを設けた。2階は学習室(40席)と、予約して使える会議室3部屋がある。
天井や壁には県内産の杉を使ったほか、東側を中心に壁一面を窓ガラスとして開放感や温かみのある空間にした。北側出入り口には段差解消のスロープ、室内にはエレベーターや車いす用トイレも備える。平時には防災訓練を行ったり、消防団や防災会議でも使用したりする予定。月1回催しを行うほか、防災を学ぶ催しも検討している。
総工費は5億6854万円。建設工事を浅川建設工業(同町)、設計・監理をアーキディアック(松本市)が請け負った。維持管理はシダックス大新東ヒューマンサービス松本営業所に委託する。
22日は町への引き渡し式があり、白鳥政徳町長は「住民の皆さんに町の中心部に来てもらえたら。周辺は学習塾も多く、子どもたちにとって学校や家庭以外の居場所になれば」と期待した。同社からは大型テレビの寄贈があり、フリースペースに設置された。
利用は1階が27日から、2階が5月7日から開始する。27日には住民が楽しめるオープニングイベントを行う。
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