JA信州諏訪の中堅幹部有志が中心となり、イネ科の穀物「ソルガム」の試験栽培に取り組んでいる。将来の農業者人口の減少に備えて、作業負担が少なく収入につながる新たな品目を探そうと昨年から試行。2年目の今年は食用のほか、ドライフラワーとして市場開拓を目標に作業に励んでいる。27日、茅野市玉川山田の農地で種まきをした。
同JAの次代リーダーを養成するプロジェクトのチーム活動の一つ。管理部企画管理課長代理の朝倉啓介さん(44)、同部人事課係長、佐藤吉紀さん(40)、茅野中央支所融資課長、細川達則さん(42)の3人が発案し、管理部職員が参画する。
ソルガムは「タカキビ」「サトウモロコシ」などとも呼ばれ、食物繊維が豊富で抗酸化作用のあるポリフェノールや、血圧を下げ、気持ちをリラックスさせるなどの効果があるという成分GABA(ギャバ)を豊富に含むとされる。米に混ぜて炊く、小麦粉の代用にするなどで使われている。
初挑戦の昨年は、生育中の苗を見たことがなかったため雑草との区別がつかず、出穂まで除草ができなくて畑が緑に覆われてしまったり、刈り取り、脱穀と全てが試行錯誤の手作業で難儀したりしつつも約120キロを収穫した。ご飯での試食はプチプチとした食感が好評で、今月から粒をJA系列のスーパーで販売したところすぐに購入客が付いて作業の張り合いが出た。
今年は約350平方メートルに赤白の2種類を作付ける。先月から土起こし、施肥をし、種まきは10センチ間隔で200グラムほどをまいた。普段はデスクワークの職にあるメンバーにとって農作業はJA職員の原点に返るひととき。一粒ずつ確かめるように土をかけて踏み、無事の成長を願いながらしっかりと植え込んだ。10月ごろ収穫の予定という。
リーダーの朝倉さんは「有機、無農薬栽培で付加価値を高めて商品に育てたい。遊休荒廃地対策の一助になれば」と話している。
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