任期満了(12月4日)に伴う下諏訪町長選まで、半年を切った。1期目の現職、宮坂徹氏(73)=無所属、清水町=は去就を明らかにしていない。4期16年にわたって町政運営を担った青木悟氏の後任として、46年ぶりに無投票で初当選した宮坂氏。1期目の前半はコロナ対応に追われたが、公約の観光政策も進みつつある中、今後の判断が当面の注目点となっている。
青木町政下では、赤砂崎の防災公園整備、健康増進に向けた諏訪湖畔を中心とするスポーツゾーン整備など、大型ハード事業がほぼ完了。後を受けた宮坂氏は「観光都市しもすわ」を公約の理念に、観光の産業化や移住定住推進、子育て・教育の充実など、主にソフトの充実に力を置いた政策を打ち出した。
“稼ぐ観光”を目指し、町観光振興局では2021年度から旅行商品開発事業を本格化させた。星ケ塔遺跡見学ツアーをはじめ、今年度は20を超えるプログラムを販売。住民主体のまちづくりに向け、10年、20年後の理想像を描く町グランドデザインの策定も進む。
宮坂氏は進退について「後援会や支援者とも相談し、しかるべき時期に判断したい」と述べるにとどめるが、今年度を初年度とする5カ年の第3次町観光振興計画の推進にも意欲を示し、2期目の出馬を確実視する見方も多い。
一方で、今春からJR上諏訪駅長が下諏訪駅長を兼務することになり、下諏訪駅長は非常駐となった。駅を核としたまちづくりに力を入れてきた町や下諏訪商工会議所は水を差された格好。人口減対策も依然として懸案で、観光都市として、いかに人口を維持し、社会増につなげるか見えにくいだけに、新たな産業振興策を望む声もある。
共産党下諏訪町委員会は町政の評価を進めており、6月下旬ごろに町民向けアンケートを計画。花岡進委員長は「結果を踏まえて政策を作り、対応を検討したい」としている。
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