仮面の女神を見つめながら白熱した議論が交わされた新企画「尖石Jomonフリートーク」

茅野市尖石縄文考古館で初の「フリートーク」

2024/06/11 06:00
文化

茅野市尖石縄文考古館は9日、設定されたテーマに沿って参加者が自由に語り合う初企画「尖石Jomonフリートーク」を同館で開いた。10月まで毎月1回行う企画で、初回のテーマは市内で出土した2体の国宝土偶。参加者が「縄文のビーナス」派と「仮面の女神」派に分かれ、「推し」ポイントを巡り白熱した議論を交わした。

 

専門家の講演を聞き理解を深める講演とは異なり、参加者同士が自らの知識や見た目の印象などを伝え合うことで縄文文化への思いを深めてもらおうと企画した。土偶を間近で見てもらいながら、同館職員がこれまでの研究結果や出土情報などの基本情報を伝え、参加者に発言を促した。

 

縄文のビーナス派は、曲線美や頭部だけに見られる文様、雲母が混じった粘土で作られており、胸元がきらりと光る特徴などを取り上げ、「何時間見ていても飽きない美しさがある」などと語った。

 

仮面の女神派は、人為的に取り外したとされる右足の謎、逆三角形の仮面のデザインを話題にしながら「太く力強い足からは、この土地を守るのだという力強さを感じる」などと述べた。

 

土偶はいずれも女性を表現したとされる。イベントでは当初、参加者にどちらが好きかを表明してもらい、議論を経て改めて「どっち派」か尋ねた。

 

結果は仮面の女神が多数派。当初は縄文のビーナス派だったという山本郁子さん(81)=富士見町富士見=は「いろいろな見方ができてとても楽しかった。縄文のビーナスの美しさと仮面の女神のたくましさ、縄文時代の女性はきっとその両方の魅力を持ち合わせていたのだと思う」と振り返った。

 

この日の参加者は3人。定員は10人だったが、「話し始めたら、伝えたいことが沸いてきた。10人もいたら話題が尽きず、時間がいくらあっても足りないのでは」と心配する声もあった。次回は7月14日午前10時から。テーマは「縄文食っておいしいの」とする予定。申し込みは同館(電話0266・76・2270)へ。

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