諏訪市木遣(きやり)保存会(竹森笑子会長)は9日、発足50周年記念式典を同市のRAKO華乃井ホテルで開いた。会員と来賓合わせて70人が出席。歩みを振り返りながら節目を祝い、高らかに声を響かせて木やりの保存継承や後継者育成への決意を新たにした。16日には記念事業として木やりを受け継ぐ県内の保存会、団体が会する「木遣りの集い」を市文化センターで開く。
1974年に上諏訪地区木遣保存会として発足し、76年に名称変更した。諏訪大社上社、下社の御柱を担当する地区が一つになって活動する諏訪地方唯一の保存会。現在は10~80代の39人が加入し、木やりの普及と後継者育成のための教室も開いている。
竹森会長は関係者の理解と協力に感謝し、「先人の努力と堅実な歩みにより、50年という節目を迎えることができた」とあいさつ。「歩みを止めることなく100年、200年先に向かって木やりの保存継承、後継者の発掘と育成に取り組む。一人ひとりの技量向上に努め、心に響く木やりを目指して精進していきたい」と決意を述べた。
諏訪大社の北島和孝宮司や諏訪市の金子ゆかり市長らが祝辞を寄せ、たる酒の鏡開きで節目を祝福。諏訪地方の他の保存会役員らも法被姿で祝福に駆け付け、会場は華やかな雰囲気に包まれた。98年の長野冬季五輪開会式で披露した木やりや、「木やり日本一コンクール」などの様子も紹介された。
16日の「木遣りの集い~唄で繋がるおんばしら~」は午後1時開演。県内8地区の保存会・団体が集い、それぞれ奉仕する神社に伝わる木やりを披露する。入場無料。同会は記念事業で記念誌とCDの制作も進めている。
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