今年5月、22歳の若さで社長になった女性が話題を呼んだ。群馬や神奈川など1都8県で「カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)」を25店舗フランチャイズ展開する群馬県太田市の「スカイスクレイパー」の新社長諸沢莉乃さんだ▼彼女は高校1年の15歳からアルバイトとして同社で働き始め、キャリアを積み重ねること8年。経営陣の信頼を得ての大抜擢。「年齢や雇用形態に関係なくキャリアアップできる職場を目指す」と意気込みをみせているという▼今や20代の社長は珍しくもない時代なのだが、若くして社長になった人の大半は自ら起業した人たち。しかし既存の会社であり、しかも年商20億超えの会社の社長が、社とは何の縁故もなかった20代の女性とは驚きだ。そんな彼女がなぜ新社長に選ばれたのだろうか▼50歳をメドに経営の一線から退こうと考えていた前社長の西牧大輔さん。「笑顔も元気さも、接客姿勢も輝いている。後ろ向きの発言も人の悪口も言わず信用できる」と後任社長として諸沢さんに白羽の矢を立てたという。後を任せられる人がいて一線を退けるのはある意味幸せだろう▼アメリカは能力がなければ出世できない完全実力社会。一方、「世渡り上手が出世する」とやゆする人もいる日本では、仕事の能力だけでなく、責任能力や適応力、安定感、統率力など総合的なバランスに長けた人物が求められる傾向が強いようだ。
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