2024年7月2日付

2024/07/02 05:59
八面観

国や国際的といった規模でも、会社やグループなどの単位でも、社会にはルールがある。ただ、きっちり守るのは難しい。「このくらいはいいだろう」の意識や自己流の解釈が邪魔をしてしまう▼6月3日、自動車メーカー5社が、車の大量生産に必要な認証「型式指定」を不正に申請していたことが発覚した。トヨタ、マツダ、ヤマハ、ホンダ、スズキ。昨年のダイハツに続き、これって国内のメーカーの相当な割合ではないか。日本車全体に向ける目が揺らいでいる▼不正に伴って出荷が停止となった車種には、愛用している車も含まれている。「○○社よ、おまえもか」の心境だった。このメーカーの車作りに対する姿勢や製品に共感を覚えているだけに、少なからず残念である▼正規に認証を受けていない車に乗っていても大丈夫なのかと気になった。国土交通省に問い合わせると、安全基準の確認試験を速やかに進めていて、基準に合っていればそのまま乗ることができ、合っていなければリコール対象になるとのこと。メーカーに聞くと、社内では十分に安全確認を行っているとのこと▼各社に「これくらいは」の意識や自己流の解釈があったか分からないし、車の開発には膨大な手間暇がかかることは理解できる。でも時代や実情に合わないルールなら、労力をかけても変えていくのが筋ではないか。自ら逸脱してしまっては、説得力は半減する。

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