諏訪市、考古学基金設置へ 戸沢さん遺族寄付

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藤森栄一さんらが収集した遺物を展示する諏訪市博物館のコーナー。新設予定の基金で保存活用を図る

藤森栄一さんらが収集した遺物を展示する諏訪市博物館のコーナー。新設予定の基金で保存活用を図る

諏訪市は、考古学者で元明治大学学長の故戸沢充則さん(岡谷市出身)の遺族から5000万円の寄付を受け、寄付金を考古学資料の保存や活用に生かすため、新たな基金を設置する方針を固めた。戸沢さんや諏訪市出身の考古学者、故藤森栄一さんから市に寄贈された考古学資料などの保存や活用に役立てる。28日招集の市議会12月定例会に関連条例案を提出する。

市教育委員会生涯学習課によると、戸沢さんはかねて諏訪地方の考古学発展にと個人的に積み立てをしてきた。5月に妻が亡くなり、遺族から9月に寄付の申し出があり、11月に受け取った。戸沢さんが師事した藤森さんが主宰し、諏訪市内にあった「諏訪考古学研究所」での高校時代からの活動への思い入れが強かったことなどから、同市に寄付されたという。

基金名は「諏訪市地域資料等保存活用基金」とする予定。市に寄贈されている矢尻や石器、土器など6万点近くに及ぶ国登録有形文化財「諏訪地域考古資料(藤森栄一蒐集品)」や戸沢さんから寄贈された文献や論文といった研究資料を中心に保存、活用する。

基金の具体的な活用策は今後検討する。生涯学習課は「ふるさとの諏訪地方や諏訪市の考古学研究への思いを大切に受け止めたい。研究の価値をどう市民に還元していくか知恵を絞りたい」としている。

戸沢さんは諏訪清陵高卒、明治大大学院博士課程修了。同大教授などを経て、1996年から4年間、学長を務めた。旧石器時代、縄文時代研究の第一人者として県内外の遺跡発掘調査や文化財保護に尽力。諏訪地域では八ケ岳山麓の縄文時代の遺跡研究などに指導的な立場で関わった。茅野市尖石縄文考古館の名誉館長を務めた。2012年に79歳で死去した。

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