学校登山前に集団遭難事故学ぶ 箕輪中2年生

中ア駒ケ岳登山を前に、集団遭難事故について学んだ箕輪中2年生
学校登山で中央アルプス駒ケ岳(標高2956メートル)に登る箕輪町箕輪中学校2年生約250人が6月30日、110年前に前身校の生徒たちが駒ケ岳で集団遭難した事故について学んだ。遭難時の状況などに関する講話を通して、命の尊さや山の怖さを実感、登山に向けた備えの大切さを確認した。
遭難事故は1913年8月26日に発生。学校登山で駒ケ岳を目指した中箕輪尋常高等小学校高等科(現箕輪中)2年の生徒や教員ら37人が暴風雨に見舞われ、11人が命を落とした。当時の文献を調査し記録集をまとめた町郷土博物館から、学芸員の柴秀毅さんが来校し講話した。
柴さんは、当日の一行の行動や遭難の原因などについて解説した。一行は予定時間を1時間ほど遅れて学校を出発し入山前に既に約20キロを歩いていたこと、避難した山小屋が損壊していたことなどを説明。さまざまな要因が重なり取り返しのつかない事態を引き起こしたと指摘、「引き返す勇気も必要」と伝えた。
生徒たちは20日に、ロープウエーを使って駒ケ岳に登り、山頂から遭難記念碑に向かって手を合わせる。
生徒の一人は「持ち物のチェックなど準備をしっかりしたい。(先輩たちが)どんな思いをしていたか考えながら登りたい」と話した。