南ア・中ア山小屋にWi―Fi設備へ 伊那市

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Wi―Fi環境が整備される山小屋の一つ中央アルプスの西駒山荘

伊那市は24日、南アルプスと中央アルプスに所有する四つの山小屋でインターネットが利用できるようWi―Fi(ワイファイ)の設備を8月中を目標に整備する方針を発表した。市の無人垂直離着陸機(VTOL)プロジェクトに協力している通信大手のKDDIと連携し、衛星通信サービスを活用する。スマートフォンなどが普及する中で、山岳地域での気象情報の確認や緊急時の連絡手段として期待でき、登山者らの安全性や利便性の向上につなげる。

対象となるのは中アの西駒山荘、南アの北沢峠こもれび山荘、仙丈小屋、塩見小屋。いずれも第三セクターの伊那市観光が指定管理を行っている。これまで山小屋のネット環境は不安定だったが、Wi―Fi設備の導入によってネット回線を使った通話や情報検索の利便性が増す。

KDDIは、市が民間企業などと進める無人VTOLによる山小屋への荷揚げ実用化プロジェクトに通信面で関わる。市は将来的なVTOL運用時の連携も見据え、同社を今回の事業者に選んだ。

Wi―Fiの利用料は24時間で600円、2時間で300円の予定。利用範囲は山小屋の室内と建物周辺。機材設置の費用はKDDI側が負担し、市の支出は無い。利用料は同社の収入となる。

同日の定例会見で白鳥孝市長は山小屋へのWi―Fi環境整備について「山小屋での気象情報の取得は安全登山に直結し、緊急時の対応にも威力を発揮する」と意義を強調。無人VTOLプロジェクトとの連動性にも触れた。

市が所有する山小屋のうち、直営する南アの仙丈ケ岳馬の背ヒュッテは既にWi―Fiが整備されている。

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