アジアでパラグライダー普及活動 岡田さん

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JMB富士見パノラマパラグライダースクール校長で、アジアでの競技普及に取り組む岡田直久さん

富士見町の富士見パノラマスキー場内にあるJMB富士見パノラマパラグライダースクール校長の岡田直久さん(54)=同町富里=が、アジアでパラグライダーの普及に取り組んでいる。22、23日には、近年人気が高まり競技人口が増えているベトナムで講習会を開催。国際的なインストラクターの資格を生かし、安全に競技ができるための仕組み作りのきっかけにしたいと意気込んでいる。

1970年代後半にヨーロッパで発祥したパラグライダー。岡田さんは89年に学生だった頃、富士見高原スキー場で初めて競技に触れ、魅了された。スクールの運営会社に入社し、インストラクターとして勤務した。

始めた頃は制度が整っておらず、重大な事故が年に数件発生していた。2003年に日本パラグライダー協会が発足。岡田さんは教育部門を引き受け、インストラクターの指導や教本の執筆に携わった。自分の技術を確かめるため、本場フランスに何度も通った。

17年には米国で開かれた、国際的なパラグライダーインストラクターの資格で最上級に当たるAPPIに挑戦。実技や英語での口頭試問を経て、80人ほどの受験者の中でただ1人合格した。

一方、アジア各国でも競技人口の増加につれ、事故も増えた。日本での教育経験などから10年に韓国、13年に台湾、今年2月にはベトナムでパイロットを対象にした研修会で講師を担当し、「意欲はあっても教われる環境が整備されていない」と実感。日本でも同じような時期があっただけに、正しい知識の普及が大切だと再認識した。

今回はベトナム政府の呼び掛けで、指導者50人ほどが参集。離着陸、予備のパラシュート、道具の整備を中心に伝えたいと考えている。「目に見えない風を相手にしているからこそ、自分の力を過信しないことが大切」と岡田さん。「同じフライトは二度とない」とその魅力を語り、ベトナムの風を受け、安全に飛ぶ競技者が増えるのを楽しみにしている。

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