伊那市横山の中村さん畑 熊の被害続く

熊に食い荒らされた中村さんのトウモロコシ畑
伊那市横山の農業、中村新一さん(82)の畑でトウモロコシが熊に食い荒らされる被害が続いている。今月中旬以降、5回ほど侵入した形跡があり、出荷を控えた食べごろのトウモロコシばかりを狙って毎回100本ほどが被害を受けているという。畑の周囲には電気柵を2重に張り巡らせるなどの対策を講じてきたが目立った効果はなく、日に日に拡大する食害に頭を悩ませている。
現場は鳩吹公園の北側にあるトウモロコシ畑約10アール。中村さんの畑では15年ほど前からクマの食害が確認されるようになったという。付近の山裾にはシカ用の柵が設置され、山側からの侵入を防いでいるが、周囲の畑に残る足跡から柵を大きく迂回して侵入していると考えられる。
「いろいろやったがいたちごっこ」。専門家の意見も聞き、畑の周囲には熊の鼻に接触する低い位置に2重の電気柵を設置しているが「簡単に突き破ってくる」といい、侵入された箇所はひと畝が数メートルにわたって無残に食い荒らされている。
「出荷前の一番いいところでやられるのは切ない」と肩を落とす中村さん。電気柵の数をさらに増やす対策も検討中という。被害は夜から朝方にかけて発生しており、「早朝には熊と出くわす可能性もあるので付近を通る際は注意してほしい」と呼び掛けている。