森林テーマに交流会 県と地域おこし協力隊

森林利活用に関する活動報告を聞いた地域おこし協力隊の交流会=伊那市の産学官連携拠点「INADANI SEES」
県は30日、県内で活動する地域おこし協力隊を対象に、森林の利活用をテーマにした交流会を伊那市西箕輪の産学官連携拠点「INADANI SEES」で開いた。隊員や市町村の林務担当者など約40人が参加。活動報告や全国の事例紹介、意見交換などを行い、森林・林業分野での活動について考えた。
多様な分野で森林の利活用を促進するため、関係機関を交えて開いている交流会。森林資源が豊富な山村で活動する協力隊員たちにそれぞれ課題を見つけてもらい、その発想力や行動力を発揮してもらう狙いがある。
この日は2017年4月から3年間、伊那市の地域おこし協力隊を務めた宮坂啓介さん(38)が、隊員経験を起業に結び付けた事例を報告した。「みはらしマウンテンバイクフィールドプロジェクト」に携わった宮坂さんは任期中、同市西箕輪のはびろ農業公園「みはらしファーム」やその周辺にキックバイクコースとMTBトレイルコースを開設。この経験を生かし、現在はMTBガイドツアーや自転車販売、トレイルコースの運営などを手掛ける会社を運営している。
コース作りでは「山の木をなるべく切らないようにした」と振り返る宮坂さん。山林の活用は「何人にもお願いしないといけない。明確な境界がないので一つ一つ確かめるしかない」と苦労話も紹介した。また隊員の活動をその後の仕事につなげる場合は、任期中に「形に残るものをつくるのがポイント」と指摘。現役隊員には「イベントは継続的なものを」「予算は使い切る」などと助言した。
このほか会場では県内で森林づくりや森を活用した地域づくりなどに取り組む現役隊員4人が活動発表。林野庁の職員が全国での活動事例などを紹介し、全員で意見交換を行った。