駒ケ岳遭難事故の記憶引き継ぐ 箕輪中部小

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駒ケ岳遭難事故の生存者の体験談を紹介した6年生

箕輪町箕輪中部小学校で6日、開校以降2度の痛ましい集団遭難事故に見舞われた記憶を引き継ぐ「命の大切さを考える集会」があった。中央アルプス駒ケ岳で生徒や教員ら11人が犠牲になった遭難事故から、今年で110年。6年生は、生還した先輩の体験談を描いた紙芝居などを披露し、命の尊さや記憶を風化させないことの大切さを後輩らに伝えた。

駒ケ岳遭難事故は1913年8月26日から27日にかけて起きた。同校前身の中箕輪尋常高等小学校の高等科(現中学)2年生や教員ら37人が暴風雨に見舞われ、11人が命を落とした。

集会は、6年のクラス代表らでつくる実行委員会が運営。グループごとに遭難事故などについて調べた内容を発表した。このうち駒ケ岳遭難に関するグループは、生存者の生々しい体験談を描いた紙芝居をスクリーンに映し、死への恐怖からパニックに陥った生徒の様子、生きて帰ってきたときに安堵感や申し訳なさといった複雑な感情を抱いていたことなどを伝えた。

集会後にはクラスごとに振り返りの時間を設けた。6年2組の児童らは「命はたった一つ。大切にしたい」「110年前のことを忘れず慰霊行事を続けていくことが大切」と率直な考えを出し合った。

児童会長は「悲しい事故が二度と起こらないようにしたい」と強調、「後輩たちに歴史を引き継いでいってほしい」と願った。

前身校時代の1942年9月13日には、修学旅行で新潟県を訪れた6年生が直江津港の突堤で高波にのまれ、26人が海に転落、5人が命を落としている。

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