鈍るマツタケ、雑キノコ 諏訪、上伊那地域

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マツタケやハナイグチ(ジコボウ)が並ぶ伊那市のグリーンファーム。諏訪、上伊那の生産者や直売所からは「山がカラカラに乾いている」との声が聞かれる

秋の味覚の「王様」と言われるマツタケや、雑キノコの発生が諏訪、上伊那地域でともに鈍っている。厳しい残暑と少雨の影響で「山が乾いている」状態が続いているためだ。直売所では入荷が滞り、「9月下旬のこんな品薄状態は記憶にない」とため息をつく。山のキノコに関わる両地域の関係者は「今秋は厳しいかもしれない」としながら、まとまった雨がタイミング良く降り、少しでも収量が上向くことを願っている。

伊那市ますみケ丘の産直市場「グリーンファーム」。例年この時期には特設コーナーがお目見えし、上伊那や近隣のマツタケや雑キノコがずらりと並ぶが、現在は青果物と同じ売り場の一角に数少なく陳列されているだけ。「入荷は圧倒的に少ない。無いに等しい。楽しみに応えられないのは寂しい」と肩を落とす。

マツタケの入荷は今月中旬に始まったが、25日までの入荷は10本に満たない。担当者の河合潤さん(52)は「日中の気温が高く、雨が圧倒的に少ない。山肌がカラカラ」と要因を挙げ、「どの山でも出ていないと聞く。これだけ出足が悪いのはまれ」とする。

マツタケ産地で知られる諏訪市後山も出来は低調だ。料理店「松茸山荘」を営む遠藤猶善さん(73)によると、25日にようやく数本が採れた程度。「例年だと、この時期から発生が本格化する。今季は毒キノコさえない」と嘆く。

今月半ば以降、諏訪では降雨があったものの「山に多少染みたが、芯から染みた状態ではない」と遠藤さん。記録的凶作だった1992(平成4)に匹敵する出足の悪さといい、今後の好転を期待しながらも料理店の営業は断念したという。

諏訪市豊田の直売所「JA信州諏訪・夢マーケット文出」では、今月中旬にショウゲンジ(コムソウ、ズボウ)がわずかに出た以降は並んでいない。グリーンファームにハナイグチ(ジコボウ)などを持ち込んだ箕輪町の40代男性は、採取した高原は雨が降り「思ったより悪くない」とする一方、「里山はもう少し先と思うが、(少雨で)厳しいのでは」と見通した。

県林業総合センター(塩尻市)の古川仁特産部長は「全県的にもマツタケのいい話を聞かない」と説明。ただ、2010年のように記録的高温だった7~9月を経て、ほぼ10月の収量だけで大豊作になったこともある。「地温を下げ、刺激を与える雨ができれば9月のうちにほしい」と話している。

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