自然を体感eバイクツアー 任意団体立ち上げ

八ケ岳山麓を自転車で走る魅力を伝えようと、団体を立ち上げた3人。誰でも楽しめる安全で柔軟なeバイクツアーを広げていく
原村や岡谷市、山梨県北杜市の自転車愛好者の男性3人が、eバイク(電動アシスト付き自転車)のツアーを行う任意団体「サイクルハイランズノア」を立ち上げた。自然を体感しながら自転車で走行する八ケ岳山麓の魅力を伝えたいと、今秋から村内を巡るツアーを開始。将来的には諏訪湖周から甲府盆地にまたがるツアーまで広げたいとし、地元の観光振興や安全な道路整備にもつなげたい-と意気込んでいる。
■今秋から原村内巡るツアー開始
自転車歴約50年で長距離走行好きの岡田賢治さん(64)=北杜市=、自転車で坂道を駆け上がる「ヒルクライム」が趣味の新美高志さん(56)=岡谷市=、約2年前にeバイクを始めたばかりの林進さん(52)=原村=の3人。2年ほど前に県内の自転車ガイド養成講座で出会った。
日頃から山麓を走るサイクリストを見掛けてはもっといいコースを教えたい-と思いを膨らませていたといい、団体の立ち上げを決めた。大通りだけでなく、少しそれるだけで森林や小川、砂利道などの大自然を身近に感じられるといい、3人は「いい景色があったらすぐ止まれるのも魅力」と語り、コースの開発に力を入れている。
ツアーは基本的に、土日祝日に行う。先導と後続のガイド2人に加えて、車も付いていくのが特徴。途中で買った土産物を積み込めるほか、参加者が運転ができなくなる不測の事態にも対応できて安心という。
今年は11月12日まで続け、来春にはコースを増やして再開する計画。現在は八ケ岳を望みながら村内の観光施設やフォトスポットを回る全長18キロ、標高差約300メートルのコースが基本。途中で農園に立ち寄って新鮮なトマトを味わったり、生産者直売所で買い物を楽しんだりする。
■地元の観光振興や安全な道路整備に
利用しやすいよう参加者の要望に応じてスタートとゴール地点を自由に設定したり、電車で来た旅行客が駅間を移動できるコースも検討したりして柔軟に対応していく考え。このほか村内のペンションを発着地にして宿泊につなげたい構想もある。
3人の夢は、日本を代表する魅力的な自転車道として国が世界にPRする「ナショナルサイクルルート」に八ケ岳山麓が指定されること。全国で6カ所あり、県内ではまだ指定がない。サイクルツーリズムが広がることで、自転車専用レーンの設置や自転車の交通ルールの浸透など安全な道路整備にもつながれば-と見据えている。
約30年間、村内で働いていた新美さんは「自転車に乗るようになって新しい発見があった」と魅力を語り、約15年前に横浜市から村内に移住した林さんは「これを機に少しでも原村に恩返しできれば」と意気込む。海外でもサイクリングを楽しんだ経験のある岡田さんは「安全で楽しいツアーで、また来たいと思ってもらえたら」と話している。
問い合わせは同団体(メールcycle.highlands.noha@gmail.com)へ。