誇るべき「昆虫食」発信を 伊那でシンポ

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県内外の約100人が参加したシンポジウム。昆虫食の試食もにぎわった=21日、伊那市創造館

伊那谷や世界の昆虫食文化に焦点を当てた企画展「大昆蟲食博」を開催中の伊那市創造館で21日、昆虫食について語り合うシンポジウムがあった。昆虫食が根付く地域について専門家は、人間にとっても豊かな環境があることの証し│と強調し、誇るべきものとして発信してほしいと願った。試食会もあり、県内外から訪れた約100人が伊那の珍味・ザザムシのつくだ煮などを味わった。

講演で立教大学文学部の野中健一教授は、アフリカや東南アジアなどの昆虫食を紹介し「世界もおいしく虫を食べている」と報告。信州で盛んな「蜂追い」にも触れ、「捕獲には多くの知識や技術、時間と労力が必要になる。昆虫食文化がある地域にはいい環境があり、『おいしさ』を見つける能力を含めて人のレベルが高い」とした。

パネル討論で、ザザムシに詳しい伊那市職員の牧田豊さんは「以前は貴重なたんぱく源を補うために虫を食べたと説明していたが、ナンセンスと思うようになった。根付いた理由はおいしいからだと考えている」と語った。

昆虫食文化がない地域の人たちに嫌悪感を示されることもある中、信州大学農学部の松島憲一准教授は「刺し身も世界に受け入れられるまでに時間が掛かった」とし、「自分たちの食文化を卑下する人も多い。地域のおいしいものと共通認識を持ち、自分たちがおいしいと食べることが大事」と説いていた。

試食会には、上伊那農業高校の生徒が開発した「かりかりイナゴかりんとう」や、ジンバブエの幼虫料理、タイの昆虫スナックもお目見え。昆虫採集が好きという東京都江東区の小学4年生、大森朝陽君(10)は「ザザムシもイナゴも食べたことがある。イナゴかりんとうは初めてだったけれど、おいしい。見た目が苦手な人も食べられそう」と話していた。

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