2021年5月29日付

LINEで送る
Pocket

香りの商品の売れ行きが堅調のようだ。不自由な生活が長引き、癒やしや安らぎの時間、空間を求める人が増えているのだろう。マスクの外側にシュッと吹きかけるアロマスプレーも人気という▼飯島町でクロモジの植栽が行われた。クスノキ科の落葉低木で、和ハーブとも呼ばれる香木。樹皮の黒い斑点が文字に見えることが名の由来である。有志でつくる「いいじま森の会」は里山や森林資源を保全しながら、香りを生かした商品を開発、販売している▼リラックス効果の他に胃腸の働きを整える効能があり、抗ウイルス作用も注目される。なじみの品として真っ先に「薬用養命酒」を挙げる人も多いだろう。幹と枝が生薬のウショウになる。爽やかな香りは養命酒の特徴の一つだ。駒ケ根工場は地元市有林の里親企業となり、クロモジなどの苗木を植えて原料の地元調達にも力を注ぐ▼国内に広く分布するが、造林学が専門の東京農大教授は、伊那市高遠町の千代田湖周辺を視察し「これほど大量に自生する場所はない」と言い切った。信州の里山、深山はクロモジが好む環境なのかもしれない▼高遠高校の生徒が地元有志と連携し、高遠のクロモジとタカトオコヒガンザクラの葉から抽出した香りのエキスを配合して部屋や車内用のルームスプレーを作った。商品名は「高遠美山の香り」。クロモジの芳香は地域の里山の美しさや豊かさも届けてくれる。

おすすめ情報

PAGE TOP