120周年祝い作品寄贈 木下五郎さん本社に

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作品「翠精」を寄贈した木下五郎さん(左)と佐久秀幸長野日報社社長

日展特別会員の金属造形作家、木下五郎さん(76)=駒ケ根市=は15日、「長野日報」の創刊120周年を祝って長野日報社(諏訪市)に作品「翠精」を寄贈した。月光に浮かぶ森林と木々を映す湖の静けさの中、精霊が立ち、雲が流れ動く森羅万象を表現した作品。

木下さんは東京都出身で1968年から駒ケ根市の工房で制作に打ち込む。今年の日本現代工芸美術展では最優秀の内閣総理大臣賞を受賞した。現代工芸美術家協会評議員、現代工芸美術長野会会長などを務め、現代工芸界や地域の芸術文化の振興にも尽力、貢献している。

寄贈作品は2013年の作で縦70センチ、横90センチ。銅板を打ち出してモチーフを立体的に浮かび上がらせた後、工具のたがねを使い分けて表面に多様な傷をつけることで銅の酸化で生じるさび「緑青」に濃淡と色の微妙な変化を生む独自の絵画的技法を用いた。「森と湖、天と地の境が自然に交わり一体化する表現を形にできた、後にも先にも唯一の思い入れのある作品」(木下さん)という。

創作にあたっては「光の当たり具合で常に様相が変化する動きを大事にしている。壮大なエネルギーをはらむ大自然への畏敬、畏怖と感謝を作品に表していきたい」とし、「人のつながりの中で自身の手足を使い、知識を生かす営みは人間らしく生きるために大切なこと。人の手でなす新聞の製作から配達までの一連もまさに文化。デジタル化が進む時代の中でも新聞が果たすべき役割は大きい」と述べ、長野日報社の新たな歴史の一歩に期待を込めた。
長野日報社の佐久秀幸社長は「120周年にふさわしい、素晴らしい作品」と感謝し、「地域の皆さんが大事にしている暮らしと芸術文化、産業を守り、発展の一助となるよう社員一丸となり力を尽くしたい」と述べた。

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