料理を通じて生産者の思いを伝えていきたいと話す松林さん(左)。タロウ珈琲・元店主の安田さん(右)も応援している=古民家カフェ「マルチプライ」

生産者の思い料理で伝える マルチプライ

2024/04/04 06:00
経済

 下諏訪町湯田町の旧中山道沿いにある湯田坂の途中に、古民家カフェ「multiply(マルチプライ)」はある。同店を営む松林早矢香さん(44)=下諏訪町=は、「生産者の思い」を料理を通じて伝えることがこだわり。「お店に来た人に実家や地元に帰ってきたように感じてほしい」と、ほっとできる空間や食事の提供を目指している。

 

 諏訪市出身。結婚や子育てなどで飲食業を離れていたが、コロナ禍の2021年にマルチプライを立ち上げた。ホットサンドのテークアウトなどでスタートし、22年11月、休業中だったタロウ珈琲弐号店の店主だった安田妃佐さん(43)と友人だった縁で、同店をそのまま借りて営業を開始した。

 

 マルチプライには、「掛ける」「拡大する」などの意味があり、「自分のできることと他人ができることを掛け合わせて拡大していけたら」との思いを込めた。「顔の見える」生産者から仕入れた食材を使うことにこだわる。野菜や米を作る人がいるから、飲食業も成り立ち、日本の食卓も守られている-と、コロナ禍に実感。生産者への敬意を忘れず、野菜のロスを減らしたいと、規格外のトマトを使ったトマトカレーをメニューに加えた。

 

 同古民家は築100年ほどの木造2階建て。もともと「置屋」だったという。タロウ珈琲をオープンするとき、安田さんが当時の雰囲気を残しながら改修した。松林さんは「この辺りは昔から人が集まっていた所。ここを拠点に外の地域のマルシェなどにも出向いて下諏訪の良さを発信し、外から下諏訪に来てもらう”ハブ”のようなお店になれたら」と話している。

 

 営業時間は正午~午後6時30分(金・土曜は午後8時30分、いずれもラストイン)。

 

 問い合わせは同店(電話090・4230・2515)へ。

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