2016年3月7日付

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介護施設や福祉団体の名前が入った車をよく見掛ける。擦れ違ったり、一般住宅の前に停車していたり。日常当たり前の光景になっている。デイサービスを利用する高齢者の送迎だろうか。訪問介護だろうか▼内閣府の2015年版高齢社会白書によると、わが国の高齢化率は14年10月1日現在で26.0%と、過去最高を更新した。総人口が減少する中で高齢化率は上がり、今後も上昇を続けると推計している。諏訪、上伊那地方は30%前後で、3人に1人近くが65歳以上という現状だ▼高齢者の数が増加すれば、介護を必要とする人も比例して増えることは想像に難くない。認知症のお年寄りも増えるだろう。家を出たまま行方が分からなくなっている高齢者の情報提供を呼び掛ける防災行政無線や、県内で昨年1年間に嘱託警察犬の出動が行方不明者の捜索で68件あったことを聞くと、その中に認知症の人が相当な割合を占めているのではないかと推測される▼東京商工リサーチのまとめでは、全国で昨年発生した老人福祉・介護事業の倒産は76件。前年比40.7%増加し、過去最多だった。同社は「介護職員の深刻な人手不足という難題を抱えながら、業界には厳しい淘汰の波が押し寄せている」と分析する▼介護で疲れ果てている家族も少なくないはず。高齢者も家族も安らげる社会こそ、真の豊かさではないか。課題はますます大きくなるに違いない。

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