新女王蜂の巣立ちに遅れ 伊那の愛好家飼育

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例年より半月ほど遅れて巣立ちした新女王蜂(◯印内)

例年より半月ほど遅れて巣立ちした新女王蜂(◯印内)

地蜂(クロスズメバチ)の世界で新女王蜂の巣立ちに遅れ?。伊那市福島の地蜂愛好家、小木曽大吉さん(73)が飼育する地蜂は、例年だと11月中旬には終わっている巣立ちが今、真っ盛り。小木曽さんは「女王蜂の発生が遅いし、悪い。自然界でも同じことが起こっているはず。来年は巣が少ないかもしれない」と心配する。

小木曽さんが飼育する地蜂は森の中に巣を作ることを好むシダクロスズメバチ。今年は12個の巣を見つけて採り、育ててきた。来年の女王蜂を残すために、10月末に2群の蜂をビニールハウス内に移し、雄蜂と新女王蜂の巣立ちに備えていたが、巣立ちが活発になったのは例年より半月ほど遅い11月中旬から。「今年の夏は暑すぎ、続いて秋の長雨があった。自然界に蜂の餌が少なかったことが影響し、巣立ちが遅れたのかもしれない」と話す。

ハウス内では今も巣立ちをした新女王蜂と雄蜂が羽音をたてて乱舞。体が一回り大きい女王蜂候補の蜂に雄が取り付いては離れる動きを繰り返している。

小木曽さんによると、地蜂の場合、まず雄が巣から出て、一週間ほどすると新女王蜂が巣を出る。日当たりの良い日の午後など、気温が上がってくると活動が活発になり、樹上の、夏にアブラムシが活動したような場所に集まり、交尾をするという。その後は女王蜂だけが越冬し、生き残ったわずかな個体が翌年巣を作る。

1996年に森の中に住まいを移し、環境の良い場所で地蜂飼育をしている小木曽さん。飼育は女王蜂の保護が目的で、できるだけ多く越冬させ、愛好者に分け、野へ放つ活動を続けている。「蜂の子」は伊那谷の珍味の代表格で、伊那市地蜂愛好会が地蜂を追い掛けて巣を探す「蜂追い大会」や「地蜂の巣コンテスト」を行うなど、地域にもなじみがある。小木曽さんは「こんなに楽しませてくれる蜂が、採っても、採っても野山にいるくらい、自然の中で代を積み重ねて増えていってほしい」と話している。

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