地域資料保存へ 伊那西高が岐阜女子大と連携

地域資料のデジタルアーカイブ化に取り組むため、連携協定を結んだ伊那西高校と岐阜女子大学の関係者
伊那西高校(伊那市)は、岐阜女子大学(岐阜県)と連携し、地域の資料を集めて保存するデジタルアーカイブ化の取り組みを始める。今年度は「伊那市の歴史」をテーマに、高校生ならではの視点で資料や写真を収集。地域課題の解決を狙って活用も進め、資料をもとにしたプロモーションビデオも作る計画だ。活動を始めるのに伴い22日には高大連携の協定を結んだ。
岐阜女子大では岐阜県内の膨大な地域資料を収集し保存、ホームページ上で公開するなど、デジタルアーカイブの研究に力を入れている。この活動は「生まれた地域の資源を再発見でき、理解を深める重要な教育活動になる」といい、伊那西高でも授業の一環で取り組むことになった。
同校では2年4組の生徒が、大学生や地元の学芸員の指導を受けながら活動する。高校生の視点を生かしながら資料収集や写真撮影をしてデジタル保存を進めるほか、集めた資料をもとに地域課題を考える。具体的な方針は今後決めるが、例えば交流人口の拡大といった課題を踏まえた動画を作り、観光のPRなどにつなげていくという。
来年度以降も継続して取り組んでいく考え。担当する同大学の久世均教授は「高校生の視点で興味を引くことに焦点を当てることで新たな発見があるはず。まず地域を知って課題を抽出して活用することで地域貢献につなげたい」とし、伊那市の資源として高遠石工などのデジタルアーカイブ化も必要と指摘した。
2年4組の生徒の一人(16)は活動を通じて「地域の問題解決やこれからの自分たちの生き方の探究につなげたい」。出野憲司校長は「岐阜女子大や地域との共創として取り組む継続的な活動になれば」と話した。