鳥インフルエンザ 感染に備え、警戒強めたい

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予断を許さない状況が続いている。高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染例が国内各地で相次いでいるためだ。隣県の新潟では2カ所の養鶏場でウイルスに感染していることが確認され、計54万羽が殺処分された。青森市内にある二つの家禽農場でも食用アヒルからウイルスが検出され、16日には北海道内の養鶏場でも感染が見つかった。国や県は監視を強め、ウイルスの拡散を防いでほしい。

今冬に入り、各地で野鳥や動物園で飼育されている鳥などからの感染が後を絶たない。環境省によると、感染例は北海道から鹿児島県まで12道県の65件(15日現在)に達し、2010~11年シーズンの62件を上回って過去最多となった。東山動物園(名古屋市)では、飼育するコハクチョウなどへの感染が相次いで確認され、休園を余儀なくされた。

感染は日本列島の広範囲に及んでいる。こうなると国内のどこで発生してもおかしくない状況だ。県内では今月3日、安曇野市で衰弱したコハクチョウ1羽の感染が疑われた。確定検査の結果、ウイルスは検出されなかったが、警戒を緩めることはできない。

国内で確認されているのは、毒性の強い「H5N6型」。この秋に韓国で大流行したウイルスと同じ型であることが分かっている。冬になるとシベリア、朝鮮半島から飛来する渡り鳥が宿主とされ、国内への侵入を阻止することは難しい。渡り鳥が再び北へ帰る春頃までは引き続き監視を続け、感染が見つかった時点で素早く封じ込めることが最善の策だ。

国内で鶏肉や鶏卵を食べてウイルスに感染した例は報告されていない。鳥から人に感染する心配もないとされる。ただ、鳥インフルエンザが恐れられるのは、流行を繰り返すうちに人からヒトへと感染する新型インフルエンザに突然変異する可能性があるからだ。私たちは未知のウイルスの免疫を持ち合わせていない。このため、出現すると世界的大流行(パンでミック)を引き起こす。

1918年に世界中で猛威をふるった「スペインかぜ」、この冬も流行している「A香港型」なども、かつては鳥インフルエンザだった。09年には豚由来のインフルエンザも出現した。新型の出現を許さないためにも、引き続き監視体制を怠らないようにしたい。

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