県民参加型予算 伊那で審査会

立案した事業内容を審査員に説明する提案者
県は18日、2024年度の予算編成に向け、県民や団体、企業などが提案した事業を選定して予算化する「県民参加型予算」の審査会を伊那市の県伊那合同庁舎で開いた。「カラマツ・アカマツをはじめとした上伊那地域産材の利活用促進について」をテーマに提案された3件について、提案者が事業の概要を説明。公募の審査員が内容を審査し、意見交換した。
県民参加型予算は県民の新たな発想や問題意識を施策に取り入れ、県政を身近なものにする目的で昨年度試行的に導入した制度。県民や団体が提案する事業を県が選定して予算化する「提案・選定型」と、提案した団体、企業ととともに事業構築する「提案・共創型」の2種類がある。
今年度は県上伊那地域振興局管内を含む県内6地域振興局ごとに募集テーマを設定して事業案を募集。民有林の約8割が伐採適齢期を迎えている上伊那地域では、生産、加工、消費のさまざまな段階から利活用促進の可能性を探る必要があると判断し、広くアイデアを募った。
審査に先立ち、同振興局の布山澄局長は「豊かな森を未来につなげていく上で重要な課題。皆さんと一緒に新たな施策をつくり上げ、地域産材の利活用が進むよう期待する」とあいさつ。提案者や審査員に協力を求めた。
審査会では辰野町の「さわそこ里山資源を活用する会」が「カラマツを使っての地域再生プロジェクト」、上伊那森林組合が「~みんなで使おう上伊那の木~上伊那地域材利用促進運動」、伊那市を拠点に森林や地域について考えるグループ「森の営業 めっつぁ」が「上伊那の森ECサイト立ち上げ事業」と銘打った事業を提案した。
審査員は学生や一般社会人、林業関係者など、オンライン参加を含む12人が務めた。各事業の説明後、具体的な実施方法について各提案者に質問し、必要性や妥当性などを判断。非公開で意見交換も行った。
「提案・選定型」事業は審査員の意見を踏まえて地域振興局長が予算化予定事業を選定。最終的に知事が事業化を判断し、県議会に諮る。