茅野市「体験住宅」2割が移住 魅力知る足掛かりに

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高い稼働率で利用されている茅野市の移住体験住宅

高い稼働率で利用されている茅野市の移住体験住宅

茅野市の移住体験住宅(同市玉川)を利用した人の約2割が同市に移り住んだことが、市と茅野商工会議所、民間企業でつくる「田舎暮らし楽園信州ちの協議会」のまとめで分かった。移住希望者の就職活動や物件探し、滞在費用の負担軽減にも役立っており、「おひとりさま」の若い女性も目立つ。市移住推進室は「茅野市の魅力を深く知っていただく足掛かりになっている」と手応えを語る。

同住宅は2014年9月、木造平屋建ての教員住宅2棟を改修し、 諏訪地方で初めて供用を開始。移住希望者が最長2カ月、月額4~5万円で利用できる。15年度には先着順から「本気度」に選考基準を変更し、 移住により前向きな人が入居できるようにした。同年8~11月は倍率が4倍に達し、稼働率はほぼ100パーセントで推移している。

供用開始から今月までの利用実績は計27組。年代別だと60代8組、40・50代各7組、30代4組、70代1組だった。関東圏が半数を占める。滞在中は、若い人は就職活動、シニア世代は車がなくても暮らせるかなど生活環境の確認をする傾向にある。田舎暮らしに対するイメージが明確で、他人に頼らず自ら行動する人が集まっているという。

移住実績は6組、利用者全体の約22・2%だった。年代別では50代と40代が各2組、30代と60代が各1組。30代と40代の女性2人は単身で移り住んだ。出身地は大阪府、北海道、群馬県、埼玉県、和歌山県、静岡県とさまざま。移住後の就職先は保養所の管理人といった観光業が4組、文筆業が1組となっている。

静岡県の30代女性は、災害時の一家のリスク分散を兼ねて同居する両親から“独立”した。文筆業の40代女性は、首都圏以外でも仕事ができるとして好きな山の近くに移住した。東日本大震災を契機に都市生活に疑問を持ち、自然と調和した暮らしや子育てを望む人が多いという。

移住体験住宅は「過ごしやすい」と好評だが、インターネット回線がないことに不便を感じる人がいる。留守中のペット用に「エアコンがほしい」との声もあるという。

市移住推進室は「潜在的に茅野市に魅力を感じている人の掘り起こしにつながっている」と話す。来年度は移住体験住宅のほか、地方創生の加速化交付金を生かして整備した民間のゲストハウスやカフェを交流拠点にしたり、市独自の動画を製作するなどして、公民協働で移住・定住の促進に取り組む計画だ。

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