「かんぽの宿諏訪」再入札へ 日本郵政

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年内入札の計画が浮上した日本郵政の保養宿泊施設「かんぽの宿諏訪」=諏訪市大和

2019年12月に営業を終了した保養宿泊施設「かんぽの宿諏訪」(諏訪市大和)について、土地と建物を管理する日本郵政(東京)は長野日報社の取材に対し、今年中にも土地と建物を一般競争入札にかける方針を明らかにした。宿泊施設としての営業再開を願う声がある一方、売却先が決まらず大規模廃屋になることへの懸念もあり、入札の行方が注目される。

入札は2020年以来で、当時の最低売却価格は3550万円だったが、事業者が辞退し不調に終わった。今回の最低売却価格について、日本郵政は施設の老朽化に加え、コロナ後の観光需要や旅行形態の変化を考慮し、「大幅に下げる」(日本郵政グループ不動産統括部)意向だ。

かんぽの宿諏訪は1968年、簡易保険加入者向けの「諏訪簡易保険保養センター」として開業。諏訪湖を望む高台にあり、敷地は約1万1900平方メートル。1991年改築の建物は鉄筋コンクリート造り地上5階、地下1階建て(延べ床面積約6300平方メートル)で、36の客室のほか、日帰り入浴ができる展望大浴場もあった。

宿泊者数は1995年の4万5000人がピークで、2007年の郵政民営化を機に一般利用が可能になったが、ホテルに続く道路勾配がきつく狭いといった立地の悪さなどから、閉館前の数年間は2万人台に落ち込んでいた。

営業終了から4年余り。大和区総代の柳澤誠一さん(72)は「当時は近隣の皆さんが訪れ、ゆっくりする姿が見られた。見晴らしのいい温泉やステージもあり、役員の慰労会でもお世話になった」と振り返る。少子高齢化に伴う地域の活力低下に触れ、「ホテルなど地域が元気になる売却先に決まり、動きが活発化すれば」と願う。

かんぽの宿は全国に120施設余りあったが、経営不振から赤字が膨らみ、2000年代初めに社会問題化。その後に施設売却や事業譲渡、廃止が進み、日本郵政が管理する施設は現在、かんぽの宿諏訪を含む5施設だけという。施設や設備は老朽化しており、同社は「閉館直後に売却できていれば…」と嘆く。入札公告の時期については「冬になる前に」とする。

諏訪市の中島英司経済部長は「新しい事業者が現れて、観光誘客や地域振興につながれば」と期待を寄せる。同市には5000万円以上を投じた事業者に交付する店舗等立地促進補助金もある。中島部長は「入札の行方を市としても注目していきたい」と話している。

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