迫る御柱祭[第3部]ひと模様 2、関俊一さん

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下社里曳きの曳行の難所とされるのが、下諏訪町魁町へ進入する際の鋭角な曲がり角。「止まらず―」の曳行を目指す上諏訪地区奉賛会の見せ場の一つだ。通常のてこ棒の数倍ある“切り札”「鬼でこ」を投入。てこ衆が力を合わせ、曳き手と連携することで「秋宮一」を方向転換、一気に曲がり切る―。

こんなイメージを抱きながら、「和」の文字をてこ棒1本1本に書き入れていく。「和」には三つの目標を込めた。足し算の結果を示すことから、てこ衆一人一人の力を総結集させる―。元綱、山造りなど各委員会、氏子と連携する「調和の和」。日本古来の祭りの意義や歴史を知る「大和の和」だ。

柄の先端近くの加工部分にチョークやとの粉をすり込んで木目を埋め、墨汁で湿らせた筆を走らせる。てこ棒は、総勢75人のてこ衆一人一人が、本番で使用する分を自分たちの手で加工した。それぞれの思い入れに応えるため、通し番号などと一緒に、丹念に書き込んでいく。実は、「和」の文字入れは前回から考えていた。前委員長の、てこ衆を引っ張る姿に魅せられ、後を引き継ごうと決めていた。責任の重さは十分に承知。昨年10月の委員会初会合で、委員長就任を志願した。

「きれいで安全なかじ取り」を目指す。昨年12月のてこ棒伐採を皮切りに、委員会活動を本格化。「和」の方針を皆に示し、知識や技術のレベルアップを図ってきた。2月から毎週のように練習を重ね、心を一つにタイミングを合わせる大切さを共有。神官による御柱祭の講話を聴く機会も設けた。「懸命で、あっという間だった。7年目に一度の御柱祭。半年ぐらい“御柱バカ”になってもいいかな」。労苦を笑い飛ばす。

てこ衆として御柱祭に携わるのは3回目。「1度きりで終わる人が多い」中、「てこ棒を使って、大きな柱を転がし、持ち上げ、ずらす。難しいけれど面白い」と魅力を語る。目標とするのは 「自信と誇りを持った粋なてこ衆」。「てこをやってよかったと、皆が一緒に感動できるお祭りにしたい。てこをやりたい人が増え、次世代に引き継いでいければ」と目を輝かせる。

「あら よいてーこしょっ!」。てこ衆への最高の賛辞が響き渡る日を楽しみに待つ。

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