茅野市保育園統廃合に反対の声

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茅野市のみどりケ丘保育園(宮川)と笹原保育園(湖東)を事実上の閉園とする市の保育園管理計画案に、それぞれの地元から反対の声が上がっている。人口減少や少子化を見据えて保育園の統廃合は避けられないとする市側の説明に対し、地元側は子育て環境の悪化や若者の流出、地域の衰退につながると反発。計画の年度内策定を目指す進め方にも、「拙速だ」といった指摘が出ている。

「手の掛かるお子さん、支援の必要なご家庭が増えている。保育士不足の中、保育園の規模を大きくして体制を整えていくことが必要」。1月30日の湖東地区説明会で市の担当者は、保育園の統廃合に理解を求めた。

計画案は1月16日の市議会全員協議会で公表された。2011年に策定した保育園建設計画を、人口減少を見据え公共施設の長寿命化や総量縮減を図る公共施設等総合管理計画の個別計画として刷新。2園を近隣園に統廃合し、4園を大規模改修して20年程度長寿命化するとした。

市の説明だと、施設の老朽化や園児の減少が進む、みどりケ丘保育園を21年度、笹原保育園を23年度に統廃合する。同市では市内保育園全18園(私立3園含む)に入所申請できるが、保育園の設置方針「地区1園体制」を踏まえ、受け入れ可能な園が同じ地区内にあることからも、統廃合は可能と判断した。

また、保育園では3歳以上児が減る一方、核家族化や夫婦共働き世帯の増加で3歳未満児が増えている。国の基準で保育士を手厚く配置する必要に迫られており、保育士不足も深刻化している。「質の高い保育の継続には効率的な運営が必要。統廃合は避けて通れない」と話す。

「今年も笹原保育園とどう関わっていくか計画していた矢先だった。若い就農者を呼び込む目玉が保育園なのに…」。1月29日の区総会で笹原保育園の存続を求める決議を全会一致で決めた笹原区。堀内泰次区長(68)は、計画案の白紙撤回を訴える。

八ケ岳山麓の標高1100メートルに位置し、明治~昭和期の蔵やこて絵が残り、昔ながらの農村の風景をとどめる笹原区。人口は93世帯、約260人。高齢化率は45%に達している。若い世代を呼び込み、空き家対策や農業振興につなげるためにも、笹原保育園に寄せる期待は大きい。

みどりケ丘保育園の周辺は公営住宅が立ち並ぶ地域だ。1980年代に150人を超えた園児数は96年以降に100人を下回った。丸山区の守屋益男区長(59)は「それでも65人の園児がいる。近くの園に通える仕組みなど善後策が示されておらず(計画案に)もろ手を挙げて賛成とは言えない。各区で将来通う人にも説明し、話を聞いて結論を出してほしい」と願う。

2園の保護者の多くが「小規模園」の必要性を指摘している。説明会では「大きな集団に馴染めない子どもや気後れする保護者が和気あいあい過ごせる環境は必要」「人数が少ない保育園にニーズを感じる保護者もいる」「大規模園に通うのは不安」などの意見が相次いだ。

こうした声を受け、市は当初計画した地区単位の説明会に加え、保護者会などとの話し合いを始めた。柳平千代一市長は計画案の修正を示唆し対話重視の姿勢を強調しつつも、計画案を14日の保育所運営審議会に諮問する予定だ。

大規模改修への理解は広がる半面、統廃合への反対は根強く住民不安の払拭もほど遠い。人口減少社会の公共施設の最適配置はどうあるべきか。地域と保育のあり方について相互理解を深め、合意点を見いだしていく丁寧な議論が求められる。

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