2017年02月12日付

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ラグビーの全国大学選手権8連覇を達成した帝京大学ラグビー部を指導する岩出雅之監督の選手育成マネジメントが、ラグビー指導者のみならず、企業や自治体関係者の注目を集めているという。企業経営もまちづくりもまずは「人づくりから」だけに、注目されるのもごく自然な流れなのだろう▼印象深いのは「学年が上がるごとに雑用が増えていく」など、上下関係が非常に独特な点か。グラウンドや部室、寮および周辺の清掃、食事当番は4年生が行う▼この理由を岩出監督は「1年生は心身に余裕がない。先輩やチームのために働けと言ってもできるものではない。むしろ無理やりやらせても悪影響がある」と説明する。先輩の振る舞いを経験則に、仲間やチームを自分と同じくらい大切に考えられる環境が、強いチームをつくり上げているという▼雑用のために心身が疲れてしまえば練習にも集中できない。逆に先輩が自ら手を汚している姿からは人への思いやりが芽生え、自分とは違う立場への理解も深まる。優しいまなざしにあふれる場所には、自然と人も集まってくる▼学生が毎年入れ替わる大学スポーツにあって、8連覇達成は至難の業だ。前人未到の金字塔を打ち立てた裏には、人づくりで強さを持続する独自システムの存在があった。人口減少問題や人手不足に悩む自治体や企業にとって、学生たちの姿はヒントになりはしないだろうか。

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